令和のブルジョワジー

令和のブルジョワジーは、生きてるだけで毎月国からお金が支給され、それを特急代金に費やす。

 

 

今までの人生は区間快速だったが、今後は特別急行的人生を送ることができそうだ。

苦手だった5人以上の集団で飲んだ。

僕は今幸せに包まれている。

 

 

 

「ガキのたわごと」というブログ名も、4年前世間知らずだった時代につけたものだ。おっさんの徒然日記にでも改称しなければならないかもしれない。

 

 

僕はもう「健常者コース」から外れてしまっている。同い年のように必死に仕事をすることはできない。今住んでいる半島の先っちょで月10万円稼げば生活できる。

特急電車の窓ガラスに雨粒が当たる。

耳には4年前の音楽。

カバンには障害者手帳という紋所。

仕事はない。

僕にはバツ2は重荷だ。

 

 

でも、今日は死なない。明日も死なない。

たとえ今応募している仕事先が全て落ちたとしても、勢いで入れたマチアプの返事が全部こなくなっても、友達が0人になっても、僕は死なないつもりだ。

 

前の主治医が教えてくれた。「生きていなければ今のちょっとの幸せはなかったでしょう?」

 

その時はわからなかったけど、今はわかる。

僕は特急電車の窓ガラスに当たる雨粒を見てさも自分に当たっているかのように悲観していただけだった。

たとえ発達障害で疎まれていても、一応は友達でいてくれる友達がいる。

 

 

僕はちょっと変だけど、ちょっと変だけど…

秀でていることもない。

 

たまに衝動性で行動することで、行動力だけはあるだけだ。

 

 

明日はまだよくなるかもしれない。そう夢を見ながら、団地海岸を通過する。

 

昨日会った人が、昔片思いをしている人に似ていた。(正確には顔は似ていないのだが、表情筋の使い方が似ていた。)

 

たちまち心拍数が120を超えたとWapple Atch(僕はApple Watchをそう名付けている)から通知がきた。

 

令和のブルジョワジーは、今日も株価を見る。

今日は星期六だ。日経平均株価はうごかなかった。

 

何かしらに恵まれたように見える人でも、何かしら弱みを抱えている。

最近そう知った。

 

じゃあ発達障害を抱える僕は、何に恵まれているのか?

自分の恵まれていることには意外と気付けない。

 

おそらく、身体の健康と、運の強さだろう。

偏差値まあまあ大学に合格したり、1回目離婚してもまたすぐ結婚できたり、障害年金が通ったり、意外なところで助けられている。

 

令和のブルジョワジーは、運がいい人間なのかもしれない。